活動の意義
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-ジェルジェルツー村世界遺産登録推進運動の今日的意義-
三千年の歴史を持つエチオピア、その東部ハラール地方にジェルジェルツー村(N 09°E 041°)はあります。
このあたりはガラムラタ山脈(3405m)の南斜面に位置し、村の標高は1800m前後、その豊かな火山性土壌と年間2000mmを超える雨量、しかもはっきりとした雨期と乾季は高品質を約束し、珈琲栽培に最適の気候風土だったのです。
ハラール地方では紅海を挟んだ対岸イエメンの増大する珈琲貿易の供給不足を補うため、約500年前から珈琲栽培(アビシニカ種)が行われました。
エチオピアの記録からおそらく世界最古の珈琲農園である事は疑う余地がありません。
我々がこの村を訪れて驚いた事は、この地での珈琲栽培方式が昔のままである事でした。
カットバック(再生=樹勢が衰えると根元を残して切断、脇枝を萌芽させ更新する方式)されていない珈琲樹が林立していました。そのため大地に深く下ろした根は、ミネラル分の多い大地から充分な滋養分を吸収し、樹上完熟した黒い果実には、黄金色のゴールデンビーンズと呼ばれる独特の風味を持つ種子が隠されていました。
男達は樹で作られたラダーと呼ばれる脚立に登り、7-8mにもなった樹齢150-200年の樹から実を採取します。女達は天日乾燥した後、杵と臼を使ってその実を脱穀します。
もう一つのコーヒールーツ国イエメンはもとより世界中の産地が新しい生産方式を取り入れ増産を図っている事は良く知られる通りです。
残念なことに、昔ながらの栽培方式を守るこの一帯の農園も、近年多収穫品種へと植え替えが進められています。
ジェルジェルツー村もその危機に晒されていますが、ひとたび伐られると取り返しが効きません。皆さんの協力と知恵でこの至福の地、珈琲樹とその生産方式を世界遺産として後世に残したいものです。
珈琲を取り巻くさまざまな文化を大事にしていくことは、珈琲を愛飲する者、珈琲の恩恵に預かる者の務めと思います。
幹事
- 代表幹事 小池昌晴(画家)
- 幹事 森光宗男(珈琲美美)
- 幹事 今丼利夫(待夢珈琲店)
- 幹事 繁田武之(アジューダ)
- 事務局 桂憲正(のんきな珈琲店)